一般的に鉋(かんな)と言えば、台鉋を指す。
だが、実は台鉋が使われるようになったのは江戸時代になってからで、
それまではなんと「槍鉋」(やりかんな、かりがんな)が鉋の主流だったらしい。
僕が槍鉋を知ったのは、中学生の頃読んだ法隆寺の本だった。
宮大工が法隆寺を修復する話だった。
そんなこんなで、いつかは槍鉋を使ってみたいとは思っていた。
インターネットで探すと、結構売っている。
そんなに高額なものでもないので、試しに買う。
そして、試し彫り。
形が物騒なので緊張したが、削るだけならそんなに難しくない。
ただ、そんなに綺麗に仕上がらない。
インターネットの動画のようにはいかない。
でも、節のあるところでも他と同じように削れるのはなかなかイイ。
台鉋だと引っ掛かって、下の写真のようになる。
台鉋は使いこなすのが難しい。
刃を研ぐのは勿論だが、台に組んで調整するのも難しい。
そもそも買った代物がどんな水準なのかも分からない。
それに対して、槍鉋はかなり大雑把でも使える。
刃先は真っ直ぐ、真っ平らに研ぐ必要はないし、
ある程度研いでおけば、それなりに削れる。
思っていたよりも実用的だ。